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風雷暴見聞録

第49章 47.


──翌日。
私は朝食を摂って片付けた後、屋上へ向かっていた。

昨日、ゾンビマンが帰り、部屋で話し合った事。
私とゾンビマンと出掛けたは良いけど情報は無かった。それに対してサイタマとジェノスからは貴重な情報が入った。
そんな直ぐに会えるものなのか、それともソニックの家を知ってるのか。サイタマ達は会う事に成功し、クローンの情報を教えて貰ったのだと言う。

ソニックが言うには、"真っ白で身を隠す服。フードを被り、首から上の素顔は見るからに怪人の類であり、顔の一部が人間らしさを残していた"…という。
フード被ってんのに何で見たんだ、とジェノスがソニックに突っ込んだら、一戦を交えたという。ソニックからではなく、クローンの方から手を出した、と。風と電気を使っていたから多分当たりだ。

『しかし、よく遭遇したね…』
「なんか俺の名前叫びながら攻撃してきたからチョップ入れてやった」
「飛んで火に入る夏の虫の如く散っていったぞ」
『散って…?死んだのか…』
「いや、ゴキブリ並にしぶといゴキブリだから生きていた、残念ながら」
『ゴキなのか…』

しかしまあ…好戦的か。けど、何者かが暴れれば通報されてヒーローが出動するはず。ソニックの逃げ足が速かったから無事だった?それ以外は死んでいたか、若しくは食われたり遺体を処理したというんだろうか。
そして、私が逃げた時と同時期に逃げているなら何故、10年間以内に騒がれなかったんだろう?なんとも謎ばかりだ。私のクローンであるクセに理解が出来ない。


昨日の話し合いを頭の中で再生し、屋上に着いた。
私達の部屋がある建物の屋上から、街並みを見下ろす。相変わらずこの辺りは静かで、そして人工物がポツポツと建ち、他は瓦礫やひび割れた道路、倒れた街路樹。
敵を感知する為に、風神の力で風を起こして探る。そういえば、この土地は危険区域と呼ばれるせいなのか、凄く近くで反応を示すのにその場に行っても何も居なかったりした。
なので、次に近い怪人の場所を絞って駆除をしに行く。…呪いとかそんな感じなのかしら、ここら辺は。同居人達やゾンビマンに後で報告するべきだろうか?

ガロウの件もあるし、1人で行動するには危険だと忠告もされていたっけ。
もしもの時は逃げれば良いだろうな。ガロウについては一般人ではなく、A級ヒーローを狙っているらしいし。
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