第48章 46.
「何未成年に手を出して喜んでいる、このロリコン野郎が」
……ジェノス。私はロリという年齢ではないんだけれど。未成年までは合ってるけどさ。
視界が頼れない今、カチャカチャという金属音と、鍵が開けられる音。このやりとりをしていないサイタマだけがが冷静みたいだ。
あと、ゾンビマンの呻く声が聞こえるのは打ち所が悪かったんだろうか…?死なないからそんなに心配する訳じゃないけど。
「だからって…イチモツ蹴り上げるのは無いだろ!こっちは殺される痛みよりも数倍痛いんだぞ!使いモンにならなかったらどうすんだ、鬼サイボーグ!」
「フン、犯罪を起こされる前に阻止が出来て良かった。願わくならば、潰しても二度と回復しない事になれば良いんだが」
「おい、お前ら喧嘩すんならもっと遠くでやれ。
ほら、ハルカ部屋空いたから入れよ。ケツ…、服が汚れんぞ」
サイタマに頭上から声が掛けられた。
まだ顔が赤い自信がある。というか、隠し切れてない耳でバレてるに違いない。服が汚れているかどうかは分からないけれど、しゃがんだ私のコンクリートに触れた部分が冷たいし、砂が皮膚に食い込んで痛い。
立ち上がって砂を手で払い、部屋に入る際に惨めにも股間を両手で押さえる男を向いた。
『じゃ、じゃあ、また』
「あ、ああ…またな」
バタンと閉まったドアの向こう、更にどこかしら打たれたのか、新たなうめき声が追加されているようだ。
先に部屋に入っていたサイタマの買い物袋を受け取って、冷蔵庫に入れるものを仕分けていると、ポリポリと素肌を掻きながら、
「別に…連絡してくれれば朝帰りしたって良いんだけど?」
と、目を泳がせて気まずそうに言った。