第45章 43.
「おいおいおい、何食わせて貰ってご褒美スマイル貰ってんだよ、童帝!俺なんか、そんな顔されなかったぞ!照れてるのも良いけどそういう顔っ、何で…っ!クソッ!」
『大人げないぞ、ご褒美スマイルはあげられないからお仕置き電気食らっとく?』
「ゾンビマンさん。これはね、子供の特権だよ」
童帝は携帯を取りだし、私の携帯を使ってアドレスの交換をしている。
それも気にくわない者、同じく一名。いつもより眉間の皺が深い気がする。大人げない。いち早く連絡先を登録していたはずなんだけれど。
「年上が好きか?だからってハルカはねーだろ、既に人のモンだろ」
「やだなーゾンビマンさん。風雷暴のハルカさんはS級に上がってくる人材だよ?今の内に仲良くなっておかないと」
ぽふっと私の肩に頭を寄せる。良い所の子供なのか、清潔感ある香り。
そっと片手で頭を撫でるとサラサラとしている。そういえば、助けた子供とかたまに頭を撫でたりしてたっけ。まさかヒーロー側を撫でる事になるとは。
へへっ、と子供らしく笑っていつまでも撫でさせる行為をまたも気にくわない者が、席を勢い良く立ち上がった。
「ハルカ、そんなに子供が好きなら作るか?10ヶ月ちょいで出来上がるぞ」
「それ、世間一般では事案だからね?」
問題発言だろ、それ。雑誌の記者でも居たら取り上げられるレベルだ。とんでもない。
私は童帝を撫でるのを止め、斜め上を睨み付けた。周りからヒソヒソ噂されているし、そろそろ店を出たい所だ。
『腹に風穴開けられるのと、全身麻痺、どっちが良いんだ?ん?冗談を言うのは場所をわきまえて発言しろ、変態』
少しだけ眉間の皺が緩くなったゾンビマンはゆっくりと座って、ポケットから煙草の箱を出し、舌打ちをしてしまう。禁煙席なのを思い出したらしい。
隣の童帝の2個目のパフェの器が綺麗になっているし、そろそろ出ても良いだろうか?
トイレの為に席を立ち、戻ろうとした所にゾンビマンだけが居た。丁度レジ係からレシートを受け取って「有難う御座いました」とかけ声をされている所。
う、早々と会計を済ませたみたいだ…。また、借りが溜まっていく。