第45章 43.
「……で、お二人さんはデキてるの?」
能力別で検索しても出てこないので、データが存在する範囲内には無いという事になり、こうして話をする事になった。
というか、童帝の追加で頼んだドリンクバーが半分ほど残っているし帰ってしまっては失礼だ。
「はっきり言ってしまえばデキてるな」
テーブルの上に置いていた私の手に、ゾンビマンは手を伸ばし触れる。
畜生、さっきのお礼(パフェで公開処刑)でもしてやろうか、ともう片方の指先でつんと触れると、強めの電気がパリッと音を鳴らしてゾンビマンは手を引っ込めた。ざまあみろ。
そんな様子を見て童帝が、ゾンビマンを哀れむような目をしている。
「一方通行の想い、大変だね大人は。無理矢理はいけないって言われなかった?もうちょっと女性に優しくしてあげたら?」
「安心しろ、無理強いしてはいない。デキてるのは事実だ。こいつはそういうのに素直になれない女なん痛ェ!」
机の下の暗闇を明るく照らす青白さ。
膝に電気はやめろ、とゾンビマンに言われてしまった。
静電気をパリパリパリパリやりすぎたかしら?でもこれでもまだ足りない方だけれど、怒られてしまったからこれくらいにしておこう。調整はしているけれど、パソコンに当たったら危険だ。
『わざわざ人前で痛々しい事は止めてくれない?食べ物をいちいち食べさせてくる介護型ゾンビ』
「良いじゃねーかよ、真っ赤になってたまらなく可愛かったぜ?」
『ん?電気が足りないって?』
こいつ、懲りてないな。
第二次静電気祭りを企て始めていると、私の肩を小さな手が触れて揺さぶる。
隣を見ればキラキラとした瞳の童帝が、ねえ!ハルカさん、と話し掛けていた。
『どうしたの?』
「僕にも食べさせてみてよ!」
食べているパフェのスプーンを渡され、パフェも私側へと移動してくる。
なんだろうか、ゾンビマンと違い子供だから?可愛いから?別に嫌でも顔に熱が集まる事もなく、私はスプーンで甘い食材達を掬い上げ、小さな口に入れる。
閉じられた事を確認して、引っ込む。……うん、美味しそうに食べて可愛いもんだ。童帝の嬉しそうな気持ちが移ってきたのか、私も少しだけ微笑んでしまった。
「…うん、なるほど。これは美味しい!」
「チッ」
それを気にくわない者、一名。