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風雷暴見聞録

第44章 42.


「過去の怪人のデータを見てみたい。分かる範囲で良いんだが…確かデータを纏めていたよな?」

メニュー表を開き、お安いご用だよ!と良いながら最後の方のページを見ている。
そして私の食べているパフェの器(中身があとちょっと入ってる)を見て、同じやつにしよーっと、と呼び出しボタンを押した。

「パソコンに入ってるんだ。見やすいように分けてあるから今見る?
あ、店員さん、これと同じやつ1つね」

丁度やってきた店員にそう告げると、店員さんは私達を見てにこやかにかしこまりました、と既に置いてあった伝票を持って厨房へと去っていく。
流石にS級ヒーローが2人も居るから目立つんだろうか。周りの席からひそひそとヒーローネームを聞く。
……さっきまでのアレ、他の人達に見られてませんように。

童帝はランドセルから薄型のパソコンを取りだした。
サイタマのやつより最新のようで、とても薄く機能が豊富だ。あと取り出す時、ランドセルの中に企業秘密と言って良い程の凄いものを見てしまったような気がする。

「はい、これね。ゾンビマン操作出来る?」
「おいおい、大人を舐めんなよ。それくらい俺だって出来るわ」
『(あ、ゾンビマンパソコン使えたのか)』

ふやけたコーンフレーク混じりの生ぬるいパフェを口に運びながら、見やすいようにタブレット型にしてくれた画面を覗く。
一番古い日付は流石に10年まで行かない。ヒーロー協会が出来たのは3年ほど前らしいし、それ以前のデータは期待出来ない。

見やすく表示されたサムネイルをスライドしていく。数は多いが、それらしきものは見つからない。
写真やイラストの無いものは文字で表示されているけれど、それすらも当てはまるものが無い。風だけを操るだとか、電気ナマズだとか全然違うものだ。

見始めて30分以上が経った所で、探す者は協会のデータには無いという結論に達した。
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