第42章 40.
「おう、俺だ。今暇か?……そうだよな、すまねぇ……お前、前に奢ってやった店あるだろ?あそこに来れるか?そう、そこだ。…じゃ、終わったら直接来てくれ」
通話は直ぐに終わり、携帯をポケットへと突っ込む。
相手の話を聞いてなくても、こちら側の話から察するに直ぐには来れないのでは…?と、考える。
「童帝のやつ今学校だってよ。学校終わるまで1時間以上あるしデート気分でも味わいながら待つか」
今日だけで何回デートという単語を口にしてるんだか。
そんな事を言っても、きっと返される言葉は私が1人真っ赤になるようなものだろうな。下手な事は言わないようにしなくちゃ墓穴を掘る事になる。
『1時間以上あるなら怪人でも探して駆除していても良いけど、今回は一緒に待ってあげる』
「……おう」
そして財布の中身を思い出しながら、3人分の会計は私が持とう!とこっそり思った。
まだまだ、ゾンビマンからの借りはある。少しずつ返していつかは…今度は私が頼られるようになりたい。
大きな背中が遠くならないうちに私は少し早歩きで後を追った。