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風雷暴見聞録

第41章 39.


『あんた世間じゃイケメンの部類なんだな。ただの変態だと思ってたよ(今も変わらないけど)』

眉間に皺の寄せられた目元。その赤い目を見開いて驚いた様子を見せて、ニヤリと笑う。

「そりゃ、褒め言葉として受け取っといてやるよ。ついでにだ、そのイケメンヒーローを独り占めする権利をプレゼントしてやるぜ」

独り占めする権利?なんだそりゃ。全く持ってわけが分からん。
家からも結構離れていて、人が多数住む地区まで遠い。そんな静かな場所で私は理解に苦しんだ。

「玄関から、会話丸聞こえだったぜ?」

あ、私終わった。
顔全体に燃え上がるような熱を感じがして、顔を反らした。めちゃくちゃ恥ずかしい。言葉になってないアレが聞かれていたとか…!

『ぬ、盗み聞きとか…するな!』

クックック、と笑い声が聞こえた。

「いいじゃねーか、しどろもどろにそういう関係じゃない!とかいうお前とか。面白かったぜ?
まあ、それは置いといて、だ。俺の傍に居ろって事だよ。
俺はお前を捨てたりしないし、何度死んでもお前を愛せるね。何よりもお前が誰かに取られたくない」

さっきのソニックってやつとかな、と付け足す。
あれは取るとかそんなんじゃないでしょ。武器持ってたし、命を取る、とかそういう風には感じられたけれど。

『あれはナンパじゃ無いでしょうに…』

ゾンビマンはうるせー、と言ってコートから煙草の箱を出して、一本引き抜く。
死なないからといって吸い過ぎだ。

「久々に会うと燃え上がるもんなんだよ。さっさと俺のモンになっとけ!」
『う、うん?』

柄にも無ぇ事言わせやがって!…と珍しく照れて居るみたいだ。血色良くなってるのか?と思ったけれども背中を見せて覗く事は出来ない。
そんな背中を見て今度は私がニヤニヤする番になった。
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