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風雷暴見聞録

第33章 31.


私の部屋に来ようとした変態ゾンビはサイタマの部屋(の廊下)で眠って貰って(電気で痺れさせて)私は翌日の朝日を部屋に迎えた。ドアをドンドン叩く音なんて聞こえない、気のせいだろう。
初めてこの部屋に来た時は埃っぽかった部屋も綺麗になり、私物置き場(一部サイタマの漫画も置かれている)と私が夜眠る為に来る部屋となっている。
いつもの3人と少しふてくされた1人の計4人で朝食を摂り、玄関を出るのは私含めて2人。

「土産頼むわ」
『うん、買ってくる。ジェノス、片付け宜しくね』

ああ、と返事をするジェノス。食器をお盆に乗せている。エプロンでも着けたら主婦に見えるんじゃないか?と何度も思ったけれど口には出さない事にする。
多分、ジェノスの事だから無言でふて腐れるか、誰が主婦だとちょっと怒るのは目に見えていた。それも面白そうだけれど。
玄関のドアを最後に出たのは私。賑やかな部屋から出れば肌寒さと静寂が外にあった。

「さて、デートに行くか」
『遊びに行くわけではないからな』

隣で冗談を言う、少し背の高い奴を睨むように言えば、フンと鼻で笑って頭を乱暴に撫でられた。
とたんに触られた場所とは別の、胸が騒がしくなってくる。ああ、もう!私はイライラをまだ引きずって居るんだろうか、バカみたいだ。


『や・め・ろ!それよりほら、ジーナス博士の所に行ってクローンについて聞くんだろう?ほら、さっさと案内しろ』

撫でられる攻撃を振り払い、少し離れた位置から言えば小さく笑っていた。

「気が早いな。そんじゃあとっとと用事済ませるか」

撫でられた事により髪がぐちゃぐちゃになった気がするので自分の手で乱れを直す。
ジーナス博士の居場所はこいつしか知らないだろうし、私はゾンビマンの後ろを歩く事にした。
家を出てひよこのように着いて歩く。といっても人の居ない危険区域なので、周りに住人が居ない。被害を受けなかった家がいくつかあるってのに静かだ。
静か、といえば私とゾンビマンも静かだ。話し掛ける?私には話題が無い。しかしこの空気、なんと重い事やら。
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