第32章 30.
『はぁ、問題が増えていくな…クローンにしろガロウにしろ……』
ガロウはA級ランカーを主に狙っている。私はA級上位で狙われる可能性が高い。
ましてや私のクローンが居るという。クローンについてなるべく多くの事を知った方が良い、今後の事を考えるのなら。
私は暖簾の様に顔を隠す髪を退け、ゾンビマンの方を見た。
『じゃあ明日、ジーナス博士の所に行って、私のクローンについて知ってる事を洗いざらい吐いて貰えば良いんじゃないか?』
「明日も行って、話してくれるかねぇ?」
どうせ明日ゾンビマンは暇なんだろ、と付け加えた。
意外そうな顔をして、短くなった煙草を捨てる。缶の底でポス、と小さな音がした。
「それじゃあ明日、博士の所に行くか」
「ハルカ、じゃあ明日お土産にたこ焼き頼んだぞ!知り合い価格ってかいっぱいサービスしてもらえ」
『(え!?明日も食べるの?)』
明日の予定が決まった所でサイタマが少し嬉しそうに言った。たこ焼き美味かったからな、と。