第2章 横浜コーヒータイム
「ついでに、なんか茶請けになるモンでも買ってくか。お前は何が良い?」
「そうですね…銃兎さんと理鶯さんは何がお好きなんですか?」
「アァ?別にアイツらは何でも食うだろ。お前の好きなモンにしろ」
そう言われたものの、少しぐらいは二人の好みなものを用意したい。
「あ!じゃあ左馬刻さんは何が良いですか?」
「俺様はお前の選んだもので良い」
これは更に困った。
そうだ。
左馬刻さんといつもコーヒーを飲む時に食べてるクッキーが良いかも。
あのお店は色んな種類もあるし。
「じゃあ、いつも左馬刻さんと食べてるクッキーが良いです。種類もたくさんあるし」
「…フッ、そうかよ」
私がそう言うと、車内の空気が変わったような気がした。
左馬刻さんの表情もいつもの表情に戻る。
怒っている時もカッコイイけど、やっぱり普段の左馬刻さんが一番好きだ。
そういえば左馬刻さん、彼女とか居るのかな…
「何だ?俺様の顔に何かついてるか?」
「い、いえ何もっ…!」
何考えてんだろ…
それに私なんかじゃ、左馬刻さんの彼女なんかになれるワケない…
「着いたぞ」
いつの間にか車は左馬刻さんの家に着き、ドキドキしながらお家にお邪魔した。
「ソッチ適当に座っとけ」
「は、はいっ…」
部屋に入り早速左馬刻さんはコーヒー淹れる準備を始めた。
「私、何か手伝える事ありますか?」
「あー、じゃあお前はそのクッキー適当に皿にでも乗せとけ」
「分かりました」
そう言われ左馬刻の横で先程買ってきたクッキーの封を開ける。
いつも左馬刻さんとのコーヒータイムに良く食べているクッキーで、今日は銃兎さんと理鶯さんの分もありいつもより数が多い。
「クッキーってたくさん並べると可愛いですよね」
「そういや期間限定の味があるらしいぞ」
「え、本当ですか?」
確かによく見てみると、いつも見ない形のクッキーがあった。
「わあ、コーヒーカップの形だ!」
「ほぉ。なかなかシャレてんじゃねぇか」
「可愛いですねぇ!」
味は何味なんだろう。
とても気になるけど、銃兎さんと理鶯さんが来るまで我慢だ。
「もしかしてお前食いたくてウズウズしてんのか?」
「へ、へっ…!?」
バレました…?