第2章 横浜コーヒータイム
『あー!いえいえ滅相もないっ…!これぐらい平気ですっ!助けていただいて本当にありがとうござい…』
『良いから早く車乗れ』
『は、はい…』
話をうまく逸らせず、碧棺さんの迫力に負けてしまった。
さすがハマをしめているヤ●ザ…
そしてそんな事があってから、今日のようにちょくちょく左馬刻さんの事務所に遊びに来るようになった。
事務所が事務所なだけあって最初はドギマギしていたものの、今では組の人達とも良い関係を築けているような気がする。
「姐さんスミマセン…若、今外せないらしくて」
「じゃあ、また今度日を改めて…」
「そ、それだけはご勘弁をっ…!!」
「へ…?」
「い、いやあそれに…あ、そうそう!この前話してた赤ん坊の事で…!」
「え?もしかして産まれたんですか!」
「へ、へぇ…!」
何故か妙に必死な左馬刻さんの舎弟さんに事務所の待合室に通された。
「ってなワケで、ここでしばらくお待ち下せえ」
そう言ってパタンと扉が締められる。
産まれた赤ちゃんの話をもう少し聞きたかったが、どうやら彼も忙しそうだ。
そういえば、左馬刻さんに最初会った時、手当をしてもらったのもこの部屋だ。
『オイ。誰かコイツの手当てしてやれ』
『は、はぁ。この方は、一体どなたで?』
『アァ?ンな事どうでも良いからさっさとしろや!!』
『へ、へぃっ…!!』
こ、怖すぎる…
『な、何かスミマセン…」
『あ?別にテメェが謝るこたぁねえだろ』
そう言うと、碧棺さんがコーヒーを淹れ始めた。
『良い香り…』
『なんだ、コーヒー好きなのか?』
『はい!それで今日も、横浜で流行りのコーヒーを飲みに来たんですけど…』
その途中でも変なチンピラ達に絡まれてしまった。
『それであの雑魚ともに絡まれたってワケか』
『はい…』
『多分オマエが行こうとしてた店のコーヒー豆だ。俺様もここの店のコーヒーは気に入ってる』