第3章 大阪スイッチ(※)
「せ、先輩…もう無理ッス」
「いつから俺の後輩になったん?ま、こんな可愛い後輩なら大歓迎やけどな♪」
つ、疲れた…
結局お風呂でもする事になってしまい、のぼせる寸前まで離してくれなかった。
「久々に会えたからつい張りきってもうて…ゴメンな?」
私が簓さんのこの顔に弱いのを知っててやっている。
「…髪乾かしてくれたら許します」
「そんなんお易い御用やで♪ほなドライヤー持ってくるわ♪」
なんか簓さん、今日機嫌良いな。
いや、むしろ悪くなった所なんてほぼ見たことないけど。
「どっか乾かし足りないところないですか〜?」
「大丈夫です〜」
ドライヤーの熱風も相まって、先程より更に眠気が襲ってきた。
「なんや、まいちゃん眠たい?」
「はい…簓さんに髪乾かしてもらうの気持ち良くて…」
本当恋人同士みたいだな。
フワフワして、心地よい。
「…な、なあまいちゃん」
「駄目ですよ。お風呂入ったばっかなので」
「ま、まだ何も言うてへんで?」
「今日はもうシません」
「そ、そんな殺生な〜…」
わざと子供のように泣き真似をする簓さん。
髪も乾き終わり、簓さんの手を引く。
「ちょ、まいちゃん?」
「私もうかなり眠たいので、抱き枕になって下さい」
「へ、え…!?」
ベッドに簓さんを寝かせ、胸の辺りに抱きつく。
「ちょ、これはかなりアカン!ホンマにアカンて!」
声もよく通り声量もあって滑舌も心地よい簓さんの声がだんだん遠くになっていく。
「あー、暖かい…おやすみなさい…」
「これはアカン生殺しやて…!!まいちゃん!!まいちゃーん!!!!!」