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夢小説短編集【ヒプマイ】

第3章 大阪スイッチ(※)


『んで誰かに道でも聞こうかと思うてたら、アンタがこんな夜道を一人でトコトコ歩いてたっちゅうこっちゃ。な?怪しい人やないやろ?』

そうニカッと笑う白膠木簓。

なんかテレビで見るよりも人懐こそうな印象だなあ…

『えっと…駅はあっちの方です。歩いたら15分ぐらいは掛かっちゃうので、タクシーか何か捕まえた方が良いかもです』

この辺りはタクシーの通りはなく、少し歩いて大通りまで行かなければならない。

『あっちの通りが大通りに繋がってるので、その道を行けばタクシーも捕まると思いますよ?』
『ホンマ?これはおおきに、親切にどうも…』
『あ、いえこちらこそ…』

二人でお辞儀をし合う。

『ククッ…何で俺らお辞儀して止まっとるん?』
『フフッ…わ、分かりません。ついつられてしまって…』
『アンタおもろいな!そや、もし良かったらどっかで一緒に飲まへん?って…どう見ても飲み帰りか。ほっぺ少し赤うなっとるし』

そう言って白膠木簓が自分の頬っぺをツンツンとつつく。

…可愛い人だな。

『そ、それなら駅の方に向かう途中でよく一人で飲みに行くお店があるんですけど…』
『なんや自分、普段一人飲みしとるん?』
『はい。飲み足りなかった時とか大勢で飲める時間がない時によく行くんですよ』
『ほー』

ていうか普通に喋ってたけど、あんな庶民が行くような店に芸能人なんて連れていったら騒ぎとかになるんじゃ…

『あ、個室とかの方が良いですよね?騒ぎになったりしたら大変ですし』
『あー…せ、せやな。ゆっくり話もしたいし、今日は個室にしとこか』

一瞬白膠木さんが固まった気がしたが、二人で個室の居酒屋で飲む事となった。

そしてその後、盛り上がり過ぎた私達は朝まで飲み明かそうとコンビニで酒とつまみを買い込み私の家で飲む事になった。

『まいちゃん…』
『どうしたんですか白膠木さ…』
『簓や』
『へ?』
『簓って呼んで…』
『…さ、簓さん』
『ええ子や。そんなええ子には、ご褒美あげよか…』

そう言って簓さんにキスをされる。

『嫌やった…?』
『…全然、嫌じゃないです』

そしてその日、私は初めて会った芸能人の白膠木簓と寝たのだった。

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