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雪を梳かす熱き炎【鬼滅の刃】

第3章 新たなる生き方


1人になった部屋で布団に横になりながら、六華は昨夜の事を考えていた。

(昨日、あの花畑で目覚める前の事が思い出せない…。ただ、誰かが私の名を呼んでいた。そんな夢を見ていたような気がする)

短い間に多くの事が起こり六華は少し混乱していた。

(あの時助けてくれた方と話をする必要があるかもしれない)

そんなことを思いながら、六華の意識は深く沈んでいった。

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六華は夢を見ていた。誰かは分からないが寝込んでいる自分の額に手を当ててくれていた。その手の温もりに六華は安心し、再び深い眠りについた。

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ふと意識が戻ると、額に温もりを感じた。六華は既視感を覚えながらゆっくりと目を開けた。

「む、すまぬ、起こしてしまったか?」
『あなたは…』
「千寿郎、弟から君が1度目を覚ました時俺を探していたと聞いたのでな」

そこには昨日異形のモノ『鬼』から自分を救ってくれた男がいた。六華はゆっくりと布団から起き上がる。

「起きて大丈夫なのか?」
『はい、随分休ませて頂きましたから。昨日は危ない所を助けて頂きありがとうございます』
「なんの!俺は鬼殺隊士としての責務を果たしただけだ!礼を言われるようなことではない!」

六華は溌剌とした声でそう言う彼を見た。猩々緋色の髪に、キリリとした眉、意志の強そうな瞳。『太陽のような人』。六華が彼、杏寿郎に持った印象であった。

『私は柊六華と言います。助けて頂いただけでなく、休ませて頂き本当にありがとうございます』
「六華!雪の結晶と言う意味だな!俺の名は煉獄杏寿郎だ!」

杏寿郎の反応に思わず六華は小さく笑みを零した。

「?どうした?」
『いえ、私の名を聞いた時の反応が千寿郎さんと同じだなと。流石はご兄弟ですね』
「そうか!千寿郎も同じ事を言ったのか!俺とは違い、人に細やかな気遣いができる優しい子だ。仲良くしてやってくれると嬉しい!」
「はい。ここにいる間で良ければ、よろしくお願いします」

そう言ってふわりと笑った六華に、杏寿郎の胸が微かに跳ねた。

(人を包み込む優しい笑みだな)

杏寿郎がそんな事を思っていると

『あの、杏寿郎さん』

六華が杏寿郎に声をかけた。
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