第7章 仕掛けられた罠と賢者の石
私はいつも使っている杖をポケットにしまい時計を杖に替えるとユキの前に出た
クィレルはハリーに触れると悲鳴のような声をあげている
この呪文は何が起きるか分からないけど
ハリーを助けなきゃ
「スノークロック!」
私が大声で呪文を唱えた瞬間
クィレルの周りに冷気がたちこめる
私達は杖を構えながらハリーの近くに来ると
クィレルはハリーの再び腕をつかむ
肉が焼ける様な音と共に先生は倒れこみ
私は二人を見て安堵の表情を見せると
クィレルは黒い影を浮かべてゾンビの様に再び立ち上がった
…心に氷の鍵をかけましょう…
…罪人には永遠に溶ける事のない氷のダイヤを…
…そして決して直る事のない破壊を…
急にどこからか声が聞こえる
とても懐かしい声
周りの人には聞こえていない様だった
もしかしてこの呪文は
「クィレル先生…ごめんなさい」
私は震える手でつえを振ると
クィレルの周りにあった冷気が凍りだす
おそらくこの呪文は精神を凍結させて中から人体を破壊する呪文
下手をすると禁じられた呪文よりも危険な呪文
私は涙を流しながら杖の先を見ていた
半分以上凍らせた辺りでクィレルの頭から黒い煙の様な物が出て来て急に私やユキ…ハリーを通り抜け
最後にその煙が消えていくのを見て私達は気を失ってしまった