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炎柱

第12章 お団子





…その時、
よく通る声がこちらに聞こえてきた。


失礼。
その手を退けてもらえるだろうか!


この声…杏寿郎様!


あ〜?誰だ?お前…
この子はこれから
俺とお楽しみがあるからな〜


そうか!
だが、その子は楽しそうには見えない!
悪いが、またにしてもらえないか?


杏寿郎様…


私は、杏寿郎様の名前を呟いた。


すると、男は、
きょう…もしや。煉獄杏寿郎…?

と、早口で呟き、


わ、わかったよ、ほらっ


と言って、私を杏寿郎さんの方へ突き飛ばした。



わわっ!転んじゃう!


ギュッと目をつぶって
これからくる痛みに備えると、

ふわっと温かい感覚に包まれる。



美玖、怪我はないか?


転びそうになった美玖を
杏寿郎が抱きとめ、

抱きしめられる格好となっていた。



あ、あの、大丈夫です。
すいません、助けていただいて、
ありがとうございました。


うむ!間に合ってよかった!
美玖は愛らしいのだから、
このような時間まで外に出るのはよした方がいい!


…!あ、愛らしいだなんて…そんな事…


杏寿郎に容姿を褒められるなんて初めての事で、
頬が自然と赤く染まる。


いや!本当のことだ!
なかなか見つからないから、心配していた!


…しはーん!!
お嬢さん、見つかったんですかー?


そこへ、先程の桃色髪の女性が駆け寄ってきた。
でも…


えっあの…しはんって…?


ああ、そうだった。
この者は甘露寺蜜璃と言って、
俺の弟子だ!


甘露寺です!
いつも、師範が買ってくるお団子、
美味しくいただいてます!

初めてお店に行ったけど、
本当、どれも美味しかったわ!!



…確か、煉獄家は代々剣士の家系…
って事は武術の師弟関係ってこと…?



あ、そうだったんですね。
私ったら変な勘違いを…



ああ!誤解されたかと思い、
美玖を探していたんだ!

なかなか見つからないから
甘露寺にも手伝ってもらってな!


ご、ご心配をおかけして、申し訳ありません!




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