第15章 美しいのは
っ…!!
美玖は耳まで紅くし、
口をぱくぱくとしながら俯く。
はははっ、参ったな。
杏寿郎は美玖を見て笑うと、
すっと立ち上がり、美玖を横抱きにした。
突然の事に驚いて杏寿郎を見る美玖。
杏寿郎は、美玖に向かって、
君は本当に美しいな。
…今宵は、まだ誰も知らぬ美しい君を見せてもらってもいいだろうか?
美玖は、杏寿郎を見つめて、
小さく はい… と返事をした。
杏寿郎は向きを変え、
布団の上に美玖を優しく寝かせる。
美玖、愛している。
俺の命が尽きるまで、
君を守り抜くと誓おう。
杏寿郎さん…
私も、杏寿郎さんを愛おしく想います。
私を選んで下さって、ありがとうございます。
もう、その瞳に吸い込まれてもいい。
杏寿郎さんの瞳にしっかりと自分は映っていた。
苦手に思っていた杏寿郎の瞳が、
何よりも美しく、愛おしいものに感じられた。
fin