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炎柱

第12章 お団子





後日、町を歩いていると、

珍しい桃色の髪をした女性が居た。


うわぁ、可愛い人…!
その人は、誰かを待っているようだった。


少し見ていると、
ぱっと花が咲くように笑顔になる女性。


待ち人来る…かな?
どんな人が来るんだろう…


少し気になり、
女性の視線の先に目をやると、

そこには煉獄杏寿郎の姿があった。



……!
杏寿郎様…!

そっか、そうだよね。


あんなに素敵な人に、
ましてや、大きなお屋敷のご長男に、
好い人の1人や2人、居ない方がおかしな事だ。



そっか…。
あの可愛い人が、杏寿郎様の…。



そのまま、立ち去る2人を横目に、

自宅へと帰った。



家と言っても、
お店の2階部分が居住空間となっている。


私はお店の戸を開けて中へ入った。



すると、


美玖!外に出ていたのか!


杏寿郎が店の中でお茶を飲んでいた。

…先程の女性と一緒に。


あ、杏寿郎様!
こんにちは。いらしてたんですね。


ああ!ちょっとな!
そうだ、紹介しよう、こちらは…


女性を紹介しようとした杏寿郎の
話を遮るように美玖は捲し立てた。



あ、ご、婚約者の方…でしょうか?
先程、町中でお見かけしたんです。
とても…可愛らしい方で、
お二人とも、お似合いでございますね!



それを聞いた女性が、



きゃー!やだ、婚約者だなんてっ!
と、まんざらでもなさそうに話す。



うぅ…
分かってたのに、落ち込む…。

この場からなんとか去りたくて、

適当に店から出てしまおうと考える。



あ、そうだ。
買い忘れたものがあったんでした。

それでは、杏寿郎様、
どうぞごゆっくりしていって下さい。



そう言うと、
美玖はまた店の外へ出て行った。




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