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炎柱

第9章 継子




ー…

ー……


その後も煉獄家での、
(地獄の)修業の日々が続き、


三か月程過ぎたある日、



美玖、
本当によく頑張った!

もう、俺から教える事はない!


師範…!
それじゃあ…!


ああ!
一週間後、藤襲山で最終選別がある!
それに行ってくるといい!


…!
やった!やっと、この日が…!


あ、ありがとうございます!!
精一杯、頑張って、
必ず生きて戻ってまいります…!!


ああ!必ず、生きて戻るんだ!

戻った時には、
一つ、贈り物をやろう!

必ず渡せると、信じている!!


はい!必ず、戻ってきます!



師範に送り出され、

私は、藤襲山へ向かった。



一週間後、私は、
藤襲山に居た。


これから、
いよいよ最終選別が始まる…。


その後説明された試験内容は、
至ってシンプルだった。

一週間後、生き残っていれば合格。

ただ、それだけだ。


…でも、たったそれだけの事が、

一週間後生きている事が、
それだけ、難しい場所なのだ…。


拳をぐっと握り、気合を入れ直す。


そうして、踏み締めるように地面を蹴り、
藤襲山の中へと入った。


中へ進むと、
当然ながら藤の木はなく、

木々が生い茂り、
昼間であっても、
薄暗く、重い空気が漂っていた。


うぅ、完全に怖い。
足がすくむ。

まだ、鬼に会ってもいないのに…。

油断をすると、
今にも逃げ出しそうな己を押さえるように、
両腕で自身を抱きしめる。


しっかりしろ!私!
ここは通過点に過ぎない!


そうだ、ここは通過点。


ここを乗り越えて初めて、
鬼殺隊として生きていけるんだ…!



自分に喝を入れる為、
大声を出したのがまずかった。

傍の方の木々が怪しげに揺れる。



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