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炎柱

第9章 継子






はぁ〜!
つっかれた〜!

ゴロンと
倒れ込むようにして縁側に腰掛ける。


はっはっは!
修業が足りんようだな!


私のだらしのない姿に、
師範が笑いながら喝を入れる。


うぅ〜すいません〜。


不甲斐ない…。
こんな調子で
隊士になれるのだろうか。


師範の名は、
煉獄杏寿郎。
鬼殺隊の精鋭であり、
私が一番尊敬する人物だ。

師範は最近、
鬼殺隊の最高峰である、
柱に加わる事となった。


一応、師範の継子である私は、
煉獄家で、炎の呼吸の型を教わり、
日夜、修業に明け暮れる。


美玖さん、お疲れ様です。
お茶をどうぞ。


後ろから、千寿郎くんに声を掛けられた。


ありがとう!
頂くね!


千寿郎くんは師範の弟さん。
優しく朗らかで、
まだ小さいのにしっかりしている。

幼い頃にお母様がお亡くなりになっているので、
物心ついた頃から家の事をこなしていた。



元気よくお礼をして、
出てきたお茶を喉に流しこむ。

喉が潤い、生き返るようだ。


おいしい〜!
喉、からからだったの。


千寿郎、俺にもくれるか?


はい!兄上。


師範も縁側に腰掛け、
3人で並んでお茶を飲んだ。



私、最終選別で、
生き残る事ができるでしょうか…。


師範に、半ベソで問いかける。


うむ!
今行けば、間違いなく、死ぬ!


そうですよね…。


ああ、そうだ!
美玖は体力が足りないな!

ただ、そこさえ乗り越えれば、
剣技については秀でている!

このまま修業していれば、
いずれ、藤襲山へ行く事になるだろう!

安心しろ!
俺がそれまで、しっかり面倒を見てやる!



師範にハキハキと指摘される。

剣技については認めて頂けるのか。


問題は体力。
そこさえ、乗り越えれば、


いつか師範と共に
鬼狩りに行く事ができる…!


むん!と気合を入れ直し、


私、頑張ります!
絶対に鬼殺隊に入って、
師範とともに鬼を倒します…!

絶対…絶対です…!!


元気よく、空に向かって叫ぶ。


ははは!その意気だ!
よし!では再開するとしよう!

美玖、素振り千回!
その後、屋敷の周りを百周!!




……挫けそうです、早くも…。




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