第7章 炎柱の恋
その時…
君達!
すまないが、
その子をこちらに返してもらえるか?
茶屋に半分入りかけていた時、
大きな声で呼び止められる。
男達は、歩を止めて、
声の主を見る。
なんだ〜?てめぇ
こいつは今忙しいんだよ!
そうだな…
明日になれば返してやるよ!
げらげらと笑いながら、
杏寿郎さんに向かって男達が言った。
(…馬鹿だ…。)
杏寿郎さんが、口を開く…
そうか。残念だ!
では、少々痛いが我慢してくれ!
そう、杏寿郎さんが言ったと思ったら、
瞬き一つの間に、
男達が離れたところで倒れていた。
な、何が起きたんだろう…?
男達は、
起き上がる気配がない…。
きょ、杏寿郎さん…
この人達…
大丈夫だ!殺してはいない!
気を失っているだけだ!
美玖、荷を貸すんだ。
送っていこう。
そう言って、
杏寿郎さんは私の手を取り歩き出した。