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炎柱

第6章 温泉





ああ!
勿論、俺が運んだ!
女子側の脱衣所にいる間は、
さすがに焦ってしまったがな!


ええっ
脱衣所に行ったんですか…?!


そうだ!


で、でも、他の人、とか…


混浴などと書いてあるが、
そもそも若い娘は混浴になど来ない!
ここの温泉には男湯がないのでな、
男湯代わりの混浴なんだそうだ!


そうだったのですか…。

つまり、私は本当に、
無用心で危ない真似を…


うむ!その通りだ!
反省するといい!


がっくりと項垂れる私。

いつのまにか、
煉獄さんがすぐ後ろに座っていた。


…?煉獄さん?


声を掛けると、
ふいに後ろから抱きしめられる。


…!!


美玖、本当に、
今後は気をつけると誓ってくれ。

心配で、君から目が離せなくなる。


先程までの、
ザ!明朗快活!といった口調ではなく、


大人の色気を纏った、
落ち着いた口調で…。


ボンっ!
一気に顔に熱が宿る。


そんな私に気付かずに、
煉獄さんは続けた。


先程、
風呂に俺が居なかったらと考えて、

そして気がついた。

俺は、美玖の事を
仲間としてでなく、
特別な人だと、思っていた事に。


美玖の肌が、
他の男に晒されていたかもしれない、と
そう考えるだけで嫉妬でおかしくなりそうだった


(…えっ?…嘘でしょ?)


う、嘘です!
そんなの!


咄嗟に声に出してしまった。


煉獄さんの表情が不満げに歪む。


むうっとした顔を見て
なんだか可愛いなんて思ってしまう。


けど、それとこれとは別…!



だ、だって!
煉獄さん、そんな素振りなかったし!
さ、さっきだって、
お部屋が一緒って聞いて、

私はドキドキして落ち着かなかったのに…

れ、煉獄さんは、
ふっつーーにしてたじゃないですか…!


宿に着いたばかりの時に
感じていたもやもやを吐きだす。





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