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炎柱

第6章 温泉





確かに女湯に入った筈なのに…


と、とにかく、
煉獄さんは気付いてないようだし、

この隙に上がってしまおう…!


そっとお湯から上がろうとしたが、
しばらく入っていたので軽くのぼせたのか、
立ち上がる際、軽くよろけてしまった。

…やばい!

絶対気付かれちゃう…!


私は、ものすごい勢いでお湯に入り直す。


…!美玖?!

煉獄さんから声を掛けられた。
すごく驚いているようだった…。


は、はい…。
えっと、女湯に入ったと思ったのですが…。

動揺を隠しきれず、
おどおどと言い訳をする。


全てを悟ったのか、
煉獄さんが答える。


ここは混浴だ!
入り口は分かれているが…

女湯は確か反対側の棟だったと思うぞ!
着いた時、女将が言っていただろう!



…全然、聞いてなかった…。

同室と聞いてあわあわしていて
ろくに聞いてなかった己を恨む…。


も、申し訳ありません…。
間違えてしまったようです…。

あ、あの、
すぐに出ます…!

向こうを向いてもらえ…


ますかと言い終わる前に、
男の人達が入ってくるのが見えた。


〜〜〜!!

ど、どうしよう…!
他の人まで来ちゃった…!


あわあわとしていると、

煉獄さんが近くに来て、
小声で話しかけられた。


…美玖、落ち着くんだ。
ひとまず、そちらの岩の影にいるといい。

頃合を見て、上がればいいだろう。


そ、そうだ。
ひとまず、これ以上見られる訳には…!

い、いちおう、嫁入り前なんだし…。


言われたとおり、
大きな岩の影に身を隠す。


私を気遣ってか、
少し離れた場所に煉獄さんは居た。


はあ、大失敗しちゃった…。

ぶくぶくと湯を吹きながら、
自責の念に押しつぶされる…。

煉獄さんじゃないけど、
穴があったら入りたい…!!


そんな事をしていたら、
ふと近くに人影が現れた。




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