第3章 熱
しゅ、俊くん…?
なんでそんなこと言うの…?
熱でた時は、人が恋しくなるって言うけど、、、
そんなことすらっと言えちゃうなんてズルいよ。
俊くんからしたら、何でもないようなことかもしれないけど、
私はずっと俊くんが好きなんだから…。
でも今は、俊くんが私を必要としてくれているってことだよね。
だったら、私のやることはもう決まっている。
まゆか:「大丈夫、ずっとここにいるから。」
さっきまで座っていた椅子に、もう一度腰掛けた。
そしたら、俊くんはゆっくり口を動かした。
伊月:「俺、みんなに迷惑かけちゃったな…。 ほんと悪りぃ。 あと、今日のミニゲーム、こっちチームのPG、降旗に頼んどいてくれるか?」
こんな時まで、チームのこと考えてるの…?
俊くんはいつも人の事ばかり考えてて、自分のことは後回し。
まゆか:「分かった。 でも、今は自分のことが先だよ? 早く良くなって。 ずっと見てるから。」
って、どうしよ⁉︎
ずっと見てるとか言っちゃった。
でも、俊くんは何も気づいてないみたいで。
こういう時、すごく鈍感だなっていつも思わされる。
まぁ、そんなところも含めて全部好きなんだけど。
伊月:「ありがとな。」
そう言った俊くんは、安心したように瞼を閉じた。