第3章 熱
貴方side
何というか、、今日は俊くんが変。
いや、俊くんがおかしいわけじゃなくって、俊くんの様子がおかしいっていうか…。
今はみんなと楽しそうに弁当食べてるんだけどw←
いつもより大袈裟に、驚いたり、笑ったり。
前にもこんなことあったようなー。
あれ、いつだっけ?
記憶をたどって行くと、今の俊くんとあの日の俊くんの行動が、パズルのように一つ一つかさなっていった。
あれは、小5の夏の大会が目前に迫った日のこと。
いつも通り部活に参加している俊くんだけど、その時も、いつもの俊くんって感じじゃなかった。
体調が悪そうというより、むしろその真逆。
ずっと笑ってて、楽しそうに見えた。
けど、今覚えば、あれは空元気だったんだよね?
練習後、俊くんが足を捻挫していることが判明した。
廊下を偶然通りかかったチームメイトが、テーピングを巻いている俊くんを見かけたからだ。
俊くんは、黙っててくれって頼んでたみたいなんだけど
…怪我したチームメイトをほっておける仲間なんていないでしょ?
結局その子が監督に相談して、、
俊くんは夏の試合には出られなかったんだ。
…そうだ。
、、あの日の俊くんとどことなく雰囲気が似てる。
どうしよう⁉︎、俊くんは怪我をしてるのかもしれない。
ねぇ、俊くん…、私はどうしたらいいの?
分かんないよ…。
とりあえず、黒子くんに相談してみよう。
頼ってもいいって言ってくれたもんね。