第3章 熱
ピピピピピピピ
今日もまた、俺は目覚まし時計に起こされる。
それを止めようと時計に手を伸ばすのだが、瞳は重く、体はダルい。
きっと昨日まゆかのことばかり考えて、よく眠れなかったからだろう。
今日は土曜日だが、このまま二度寝してしまうのは許されない。
学校が無い日は、一日中バスケの練習が出来るからだ。
練習着に着替え、朝ごはんを済ませたが体はだるいまま。
ズキッ。
それに加えて、頭痛まで襲ってきた。
あぁ、これは完全に熱だな。
確信するも、念のため体温をはかってみたら38.6℃。
やっぱり熱はあったけど、いつも通り玄関に向かった。
どこに行くんだ?って、そりゃあ、部活しに。
今日は土曜日だから、練習量は平日の3倍だ。
体調がいい日でもギリギリなのに、今日みたいな日にあの練習量をこなすのは正直キツイと思う。
それでも、やらなくちゃいけないんだ。
俺は、皆より不器用だから、一つ技をおぼえるのにも時間がかかる。
火神はセンス抜群だし、俺はいつも、みんなについて行くので精一杯だ。
だからこそ、人一倍練習しなきゃならない。
自分だけ、おいて行かれたくない。
だから練習は休めない。
それに、変にみんなを心配させたくないしなw
俺にはイーグルアイぐらいしか取り柄ないけど、誠凛のPGとして、少しでもチームに貢献したいんだ。
いや…、、するんだ‼︎
そう決心した俺は、重い体を引きづって学校へ向かった。