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【魔入間】貴方の背中が好き

第1章 【1年前】


バラムside


パタン、とドアを閉めて扉の前にズルズルと座り込む
トイレに行こうと思ったなんて、咄嗟に嘘をついてしまった。
本当は気になってしまってもう1回見に行こうと思ったら
偶然はち合わせてしまっただけ。


…目を合わせられない。
あの男の子は…彼氏…じゃないの?
だって僕も、見た事ない顔で…わざわざ着替えて、
男物だけど、可愛い格好してて…

好きだと薄々感じていた時から、少しは考えたんだ。
僕の意思は捨てて、彼女に今後一切告白するのを辞めてもらうか、卒業まで待ってもらうか。

教師の僕に…卒業まで待ってもらうなんて選択肢はなかったけど……。

彼女を、傷つける覚悟で、振ろうと思っていた。
でも、彼女は付き合いたいと言ったことは無かった。
だから、彼女が好きと言い、僕がありがとうと言う。このままの関係でいいやなんて、甘えていた。


いつまでも、好きと言って貰えると思い上がっていた。
僕は彼女のことを、何も知らない。
何が好きだとか、何が嫌いだとか、クラスではどうしているのかとか。
だから、あの男の子が友達なのか、はたまた彼氏なのかも
わからない。

今まで知ろうともしなかった癖に、
僕から離れちゃうかもと思ったら
……どうしても…手離したくない。
こんな所で、僕は知らない内に彼女に依存してたんだと痛感した。


ミヤノちゃん。君のおかげで、決心することが出来たよ。
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