第1章 【1年前】
夢主side
「今、お茶を入れるから、座って待ってて。」
そう言って棚からお茶っ葉の入っている瓶を取ってお茶を入れる準備をする
私はいつも座っている椅子に腰掛けてバラム先生を見つめる。私の大好きな、大きい背中。
そこで、私はとあることに気がついた。
バラム先生…この斜め後ろからの角度好きだ!
顔の輪郭とマスク。髪でほとんど隠れて見えないけど微かにまつ毛が見える。
『バラム先生…好きです。』
がちゃんっ
『え、大丈夫ですか…!?』
「え、あ、うん。大丈夫だよ。」
手を滑らせてお茶っ葉の入った瓶を落としてしまったみたい
先生…今日なんかおかしい!!
目は合わせてくれないし…いつもだって怪力で瓶を握り潰すことがあっても、手元を狂わせて瓶を落とすなんてしない。
もしかして…好き好き言いすぎて嫌われたとか…?
軽いなんて思われたくはない…けど……
『せ、先生…私がね…先生に好きって言う時、ちゃんと、条件があるんだよ。』
「…え、条件?」
『うん…。』
先生が、やっとこっちを向いて目を合わせてくれる。
少し、眉毛が垂れている。
『あのね…私は、先生の仕草とか…見解、好きだなって思った時に、好きって言うんだよ。』
ぱちぱち、と真顔でこちらを見つめるバラム先生
『えっと、だからね………もう、何回も……先生に惚れてるんだよ………って事…軽い気持ちで、言ってるわけじゃないの…』