第10章 最終章 最後の歌
「・・・・・・ファル、ジャーファル!」
シンの声で、私は目が覚めた。
「うっ・・・・・・ここ・・・は?」
「王宮の医務室だ。よかった、無事で・・・・・・」
シンと、そばにいるヤムライハが、はーっと息をはいているのが見えた。
確かにここは医務室だ。しかし何故私はこんなところに?
「あの・・・・・・一体何があったのですか?何故私はここに横になっていたのです?」
私の問いに二人は答えず、ひどく驚いた顔をしていた。
「本当に、忘れてしまったのか・・・・・・」
「そんな・・・・・・どうして!ジャーファルさんは、誰よりも彼女を・・・」
ヤムライハは泣き出し、シンは落ち込んでいる。
訳がわからない。一体なんなのだ?
ただ、心の中にぽっかりと穴があいたような感覚がする。
心だけでない、頭もだ。
二人に聞いてみたが、「お前に聞く権利はない」と冷たくあしらわれてしまった。
わけがわからない。何故二人は知っているのに、私は知らないんだ?なぜ私に聞く権利がないんだ。
なんだか腹が立ってきて、医務室を出て自室へ戻る帰路に就く。
『ジャーファルさん』
『愛してます』
『これからも、ずっとそばにいます』
『この身は朽ちてしまったけれど』
『こんな体でも、いいのなら』
知らない女性の声が、頭の中で反響していた。
そして、数年後。
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