第7章 操り人形
*ミルカ目線*
「ミルカっ!!やっと起きた・・・・・・!」
目が覚めると、そこには険しい顔をしたジャーファルさんとヤムライハ様、それに王様がいた。
「ジャーファルさん・・・ここ、は・・・・・・・・・」
「ここは私の部屋です。貴女はあれから熱を出して、二日も眠っていたんですよ!大丈夫ですか・・・?」
そんなことになっていただなんて。全くわからなかった。
私は笑って大丈夫ですと言おうと彼の顔を見た。
しかし、私の眼に写ったのはいつもの彼ではなかった。
眷属器を振り上げ、鋭い瞳で私を見下ろす、暗殺者の彼の姿―――――
「いやあああああああああああっ!!!」
私は怖くて叫び声を挙げた。三人が驚き私に駆け寄る。
「ミルカ、一体どうしたのですか!?」
彼の声は、耳から耳へと抜けていってしまった。
私は今の状況が理解できず震えだしてしまう。
「嫌、いや、いやぁあ・・・!!」
私の眼はおかしくなってしまったのだろうか。
先ほどまで綺麗な白色だった布団が、真っ赤に見えてしまうだなんて。
耳鳴りがする。耳が痛い。
手で耳を覆った瞬間に、私の身体は・・・・・・奪われたかのように私の意思に従わなくなってしまった。