第7章 操り人形
*ジャーファル目線*
キスの後、彼女は少し疲れた顔で眠ってしまった。
まるで女神のような、美しい顔。思わず襲ってしまいたくなってしまったが、撫でるだけに留めた。
明日はもっと可愛がってあげたいと、そう願いながら眠ったのに。
彼女は翌日、起きなかった。その上、高熱まで出してしまった。
私はすぐに薬を買いに行き、必死に看病した。少し楽になれば起きるかもしれないと思っていたが、彼女は起きなかった。
おかしい。普通の風邪なのに起きないだなんて、絶対におかしい。
私は何度もそう思い、彼女に声をかけたり軽く揺すったりした。
しかし、彼女はその日も、その次の日も苦しそうな顔で眠っていた。
そして今、やっと熱が下がり、目が覚めたのだ。
「ミルカっ!!良かった、やっと目覚めた・・・」
私は嬉しくて彼女に抱きついた。すぐ近くにシンとヤムライハが様子を見に来ていたためいるのにも関わらず。
彼女は意識が混濁していたのか、小さな声で言葉を発した。
「ここは私の部屋ですよ。貴女はあれから二日も眠っていたんです。まったく、心配しましたよ・・・」
そう言って彼女の顔を覗き込むと、彼女はとても驚いた顔をした。
驚いた、というより、怖がっている、と言ったほうが適切かもしれない顔だった。
「いやああああああああああああっ!!!」
彼女はいきなり叫びだした。
「何事だ!?」
シンも驚いて駆け寄ってくる。すると、彼女は・・・いや、彼女の身体は、黒い霧のような物に包まれた。
「何、これ・・・!?」
ヤムライハが高い声を発していた。