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歌姫のguardian

第5章 ネックレスは悲劇を呼ぶ


「ねえねえ~ミルカさーん!今日のお昼ご飯はなーに?」
「今日は王様の大好きなエウメラ鯛のバター焼きですよ、ピスティ様」
「うわあ~!!久しぶりに食べるね、ヤム!」
「そうね。ミルカさんの料理は最高だから、ただでさえ美味しいエウメラ鯛も、もっと美味しくなりそうね!」

私は昼食を作り終えて、待ちわびていたピスティ様とヤムライハ様と一緒に食堂へ向かっていた。

最近はこうして八人将の方々と話したりすることが多くなり、時には王様とシャルルカン様に晩酌を勧められたこともあった。
その時のジャーファルさんの怒っている姿は、少しお母さんみたいで可愛らしかったなあ。


食堂に入るとみんな揃っていた。私は料理の説明をしてジャーファルさんの隣の席に座って昼食をとり始めた。

「んん・・・・・・うまい!やっぱミルカちゃんはすげーぜ!」
「そっすね。でも先輩うるさいです」
「お主ら・・・もう少し静かに飯を食え」
「まあまあ、将軍!賑やかなのはいいことですよ~っ?」
「そうだな。俺たちはうるさくしながら飯を食うのが似合うってもんだ!」
「そういうヒナホホ殿が一番静かだと思うのは、私だけだろうか・・・?」

みんなとても美味しそうに私の料理を食べてくださっていて、毎日のことだけれどもとても胸がほっこりする。
横をちらりと見ると、ジャーファルさんも美味しそうに食べてくれていた。


彼は私の視線に気づくとにっこりと笑って、私の口元についた香草を舐めとった。

「っ・・・・・・!?」
「今日の料理も本当に美味しかったです。ご馳走様」


ちょうどここに集うみんなの視線が外れていたようで、彼は余裕な表情で仕事に戻るため立ち去って行った。

(・・・反則だわ)


私は赤面しながら心の中でそう呟くと、香草の香りが残る皿を片付け始めた。
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