第3章 幸せは苦しみへ
「・・・・・・さん、ミルカさん!」
目が覚めると、すぐそこにジャーファル様がいた。
「ジャーファル、様・・・・・・?ここは・・・」
「貴女の部屋ですよ。最近まったく来ないものですから、キッチンへと向かってみたら貴方が傷だらけで倒れていて、驚きました。ある方から事情は聞き出して、シンに伝えましたからもう大丈夫です。・・・・・・気づくのが遅れてすみません。怖かったでしょう・・・?」
久しぶりに聴く彼の声は怒りと悲しみに満ちていた。しかしその声は私をひどく安心させるのには、十分だった。
でも、私は・・・・・・
「ありがとう、ございます・・・大丈夫ですから、戻って下さい」
「・・・・・・何故?」
「だって、私は・・・・・・貴方とは、違う。もう、貴方の側には、いられな・・・・・・」
言い終わらないうちに、私の口は暖かいモノで覆われていた。
・・・彼の唇だった。
「んっ――――――――!?」
持てる限りの力で抗っても、脚は絡められてびくともせず、押しのけようにも男の彼の力には逆らえない。