第6章 見合い?
「・・・・・・メイリー」
「そろそろ戻りませんか?最近ちょっと寒くなって、」
「なに怒ってんだお前」
言われてぐっと、思わず詰まった。
その確信的な指摘。
真っ直ぐ先生の顔を見られそうにはない。
「・・・・・・別に怒ってませんけど」
「嘘を吐くな」
「ついてません」
「どうして俺を拒む」
くそ。
心の中で舌打ちと共に悪態をつく。
これだからこの人は嫌だ。
さっきまで拗ねていた大人はそこにはいない。
まんまと形勢逆転の隙を与えてしまった。
静かな言葉と共に鋭い視線を顕著に感じて、気まずさから更に先生から顔を背けた。
斜め下に目線を落とすが、握られた右手から動揺が伝わりそうで落ち着かない。
「見合いがどうのとか言っていたな」
「・・・・・・」
「ここ何日か様子がおかしいのはそのせいか?誰から何を聞いたか知らんがお前が気にする事じゃない」
そんなの・・・・・・。