第5章 最強教師とエロ教師
どこの誰かも分からない見知らぬ男に攻められるより、この人の動作一つ一つを堪能する方がよっぽど興奮する。
優しく優しく、駄目になりそうなくらいに私を甘やかす悪い大人。
そう思うと、勝手にこの口が開いた。
「・・・・・・私、たぶん・・・」
「ああ」
「普通の男の人の体よりあなたの腹筋見てる方が燃えます」
私の肩口に顔を埋めていた先生の動きがピタッと止まった。
しばらくするとのろのろと顔を上げて私を見下ろしてくる。
「・・・随分スゲエロ説き文句だな」
「いや別に口説いてませんけど」
「・・・・・・」
はっきり言い切れば先生の眉根が怪訝に寄せられる。
元々よくない人相が凶暴化した。
至近距離のまま無言で見つめ合う数秒後、先に口を開いたのは先生だ。
「・・・・・・お前は日に日に小悪魔っぽくなっていくが大丈夫か」
今度は私が眉をひそめる番だ。
一般女子高校生を捕まえて小悪魔とは屈辱も甚だしい。