第5章 最強教師とエロ教師
この人が潔癖と言うのは間違いなく嘘だ。
薄々疑問を感じてきたリヴァイ先生の気質にはっきりとした確証を持ち、蔑みの眼差しで先生を見上げた。
過去にどれだけ女の人をタラシ込んでいようがこの人の勝手だけれどそれを生徒に言って聞かせるな。
だが私のこの汚い物を見る目は易々とかわし、自らの身辺を追求される前に逃げるつもりなのかなんなのか、一つ前に話しを戻してこの人は私を眺め落としてきた。
「正直に言っちまえ。別にお前が何観てたって怒りはしねえよ」
「だから観てませんって。なんでそんな話になるんですか」
「お前がさっき自分で言ったんだろ、学園系エロDVDがどうのって。そういう展開にもつれるから俺の個人授業は受けたくねえと」
「・・・ああ・・・・・・」
その返答にようやくピンときた。
まさかそんな些細な発言を拾ってくるとは。
「・・・・・・もしかして個人授業断ったの根に持ってます?」
そうだとしたら面倒だな。
でもわざわざ今になってその話を蒸し返してくるからにはきっとそうなんだろう。
先生を見上げながら問いかけると、見つめ返してくる眼差しは呆れる程に真剣だ。
手首を掴んでいた先生の手はするりと私の手を握り直し、お互いの指を絡ませキュッと控えめに握り込まれた。
強引に。
ではなくて、控えめに。