第5章 最強教師とエロ教師
「おいこらクソガキ。顔見せろ」
「嫌ですもう、なんなんですかあなた」
「気持ちいい事してやるぞ」
「だから私は眠りたいんです」
言い合う間にも、先生の唇が枕に埋めた顔の横に何度も降ってくる。
ちゅ、・・・チュッと。
無駄に甘ったるく、ほぐし溶かすように。
「・・・ヤですってば」
「一回だけ」
「ホント無理」
「何もしない」と「一回だけ」は男の常套句だ。
例に漏れる事なくそれを口にする先生を押しやり、鬱陶しく顔を反対側に向けた。
すると先生は少しだけ半身を起こして、ぎゅうぎゅうと私を抱きしめたまま覆い被さってくる。
撫でるように顔半分にかかった髪を掬い上げてくる指先。
欲を匂わせる手付きに肩を窄めて身じろぐと、口づけられた耳たぶをやんわりと食われた。
高校生女子相手に本気で盛ってくる三十路は厄介だ。
「先生・・・今日はもうダメ・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・先生?」
私が何か言えば必ず馬鹿な言葉を返してくるはずが急に黙り込まれた。
不審に思ってゆっくり枕から顔を上げると、妙に真面目くさった顔で先生が私を凝視している。
冷徹リヴァイ先生モードの顔付きに似ていてちょっと怖い。