第5章 最強教師とエロ教師
しかしまあ気持ちはわかる。
私だって先生のふざけた一面を知らなければ、その威圧感にただただ縮こまるだけだったはずだ。
こくこくと小さく頷き同意を表し、さっさと前に向き直ろうと・・・したのだが。
バチッと合った視線。
と言うよりもめちゃくちゃ睨み殺されていた。
ヒッと思わず息を呑み、心の願いも虚しくコツコツとこちらへ歩いてくるリヴァイ先生。
その静かな怒りを察してクラスの空気は異様に重い。
そして私とアイリの席の中間当たりで足を止めた先生は、竦み上がる私たちをギロッと睨み落とした。
その直後。
ズカンッと、容赦なく蹴られた私の机の脚。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
蹴った。
この教師、堂々と生徒の机を蹴った。
私とアイリは恐怖のあまり目を見開いて絶句。
周りの奴らも一様に机上へと視線を落として、顔を決して上げることなく最大限の危機回避を図っていた。
壁際の席で心底よかったと思う。
隣に誰かの机があったら二次被害は必至だ。
机の角が壁にのめり込むとはどういう事だろうか。
ギギギッと音がしそうなくらいにギクシャクと顔を上げ、目に映してみた先生の顔。
冷酷無惨と言う言葉がここまで似合う人類はいないだろう。
本気で死ぬかと思った。