第5章 最強教師とエロ教師
「お前はどっちがいい。俺に厳しくされたいなら望み通りにしてやるぞ」
耳元でそんな物騒な事を言われる。
リヴァイ先生にあの冷徹な目を向けられたらそれこそ生きた心地がしない。
半ば青褪め、先生の肩に手を付き拒否を示した。
「冗談じゃない。マジで怖いですよあなた。この前のテストの時だって生きた心地がしませんでした」
あれは先日行われた中間テスト。
リヴァイ先生が私のクラスの試験監督だった時の事だった。
何時限目のなんの教科だったかは覚えていないが、あの眼光は今でもはっきり脳裏に焼き付いている。
必要最低限の説明以外一切口は開かず、テスト用紙を配布する教師としてのこの人。
生徒として席に着く私はその顔を胡散臭く眺めていた。
しかしそんな時ふと後ろの席にいるアイリに背中をつつかれ、チラッと振り返れば何やら耳打ちの動作を示している。
先生の目を気にしつつも、仕方なしに椅子を微かに後方へとずらしてそれに応じてみれば、
「すごく怖いんだけどっ!このクラスの数学、リヴァイ先生の受け持ちじゃなくて良かったよね!」
と、こそこそと聞かされたのは物凄くどうでもいい感想だった。