第5章 最強教師とエロ教師
「ちょっと・・・」
「止めるなメイリーよ。お前の尻が俺を呼んでいる」
「呼んでませんから。真顔で馬鹿なこと言わないでください」
チッ、と舌打ちされる。
迸るヤラせろオーラに私の顔は引き顰った。
疲れた心地でグイッと先生の腕を押し返すと、渋々ながらもそれ以上無理強いはしてこない。
仕方ねえなと尻からは手を放し、代わりに再度当たり前のように私を抱きしめた。
「元気すぎますよ先生・・・・・・」
「バカ野郎、これが普通だ。俺はまだ萎れちゃいねえ」
「あなたの基準に当て嵌めていたら私の体が朽ちます」
「体力付けろよ。陸上部入部しろ」
「嫌です」
さり気ない勧誘は即刻断る。
本人曰く、任されてしまったから仕方なくやっているらしい陸上部副顧問。
正顧問は体育担当のキース先生だ。
正顧問が鬼教官、副顧問は厳格かつ潔癖なリヴァイ先生とあって、陸上部には常に他の部には無いような背筋の正される緊張感が流れている。
噂によるとかつて高校時代、実はこの人も高跳びの選手だったらしいが死ぬ程どうでもいいので本人にその話を振った事はない。
前々から先生には陸上部への入部を強要されてきたけど、入学後半年も経ってから今さら入部届を書く気は毛頭なかった。