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悪い大人に捕まりました【進撃/リヴァイ】

第4章 大人の階段





相手が十五だとか自分の勤め先の生徒だとか、この人にとってその辺りは障害ではないらしい。


心配事の観点が問題外な大人を蔑み半分に見つめると、先生はふっと下笑みを堪えて私を見返した。



「実験台になれ。俺からの電話、シカトした罰だ」

「結構根に持ちますね」

「お前の期待に応えてやってんだよ」



期待と言われて顔を顰めた。


反論しようとして口を開いたが、目線の先に先生の邪な表情を捉えて無駄な労力になることを悟る。



潔癖かつ几帳面、真面目を地で行く数学教師。


学校内で教育者の顔をしている時のリヴァイ先生の評価はこんな感じなのに。


畏れと敬意の対象は女の人からの憧れの的でもあるらしいけど、それは私から見ても確かに納得がいく当然の結果だ。


文句のない美形で、ストイックな大人の雰囲気はむしろ色っぽい。



ところが他人を騙すこの無表情の下は、花火のような純粋な綺麗さとは全くもってかけ離れている。


故意なのか元々なのか普段は表に出さないようだが、少なくとも私に見せる顔は常に、私利私欲を優先させる邪悪な大人の表情を孕んでいた。



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