• テキストサイズ

悪い大人に捕まりました【進撃/リヴァイ】

第4章 大人の階段





「あ・・・」



その時まで適当に話を続けていると隣のジンが短く発し、直後に一発目の花火が夏の空に咲いた。


日も落ちてきた中で周りからはわあっと一斉に声が上がる。


最初の花火を継起に次々と打ち上げられていき、惚れ惚れしながら空を見上げる人々の歓声で湧いた。


ここにいる誰もが待ち望んでいた、色取り取りの花。


いくつも打ち上げられては、パチパチと夜空に散っていく。



「すげーっ、キレー!」



周りの観客と同様、私の隣でジンが騒いだ。


綺麗だと、花火を見れば誰もがそう言う。


当たり前のことだし、綺麗に見せるために作られているのが花火だ。


しかしぼんやりと空を見上げたまま、私はそれをどこか遠くに眺めた。


綺麗でしかない花火。


好きか嫌いかと問われれば、私はもしかしたら嫌いなのかもしれない。



「わー!!今のスゴいですね!!」



赤、青、白、緑。



連続で一際目立つ花火が上がると、観衆はこれまた大きく歓声の声を上げた。


ジンは私の腕を引っ張り、男の子らしいはしゃぎ方で楽しそうに叫んでいる。


夜空と交互に顔を覗き見てくる視線にも気付いているから、時折私も隣を見上げてはジンに笑い返した。



/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp