第3章 夏休みのご予定は?
はぐらかしても深追いされるだけだと予想がつくから、隠し隔てなくありのままの心術内を暴露。
先生は満足そうに口を吊り上げてクックと笑っていた。
何がそんなに楽しいのだか、私にはこの人を理解できない。
肩で溜息をつくと先生は笑いながら私の頭をぐしゃぐしゃと撫でつけてきた。
本当に何がしたいのか謎だ。
「そんなに嫌なら断れ。そして俺に付き合え」
「は?」
「人ごみに酔わない方法教えてやる」
前を見たまま当然のごとくそれを口にした先生を、私は少し目を大きくさせて凝視した。
「何言ってんですか。なんで彼氏の誘いすっぽかして先生とそんなトコ行かなきゃなんないんです」
「不純異性交遊させてやるぞ」
不敵な笑みを向けてきたこの悪い大人。
目的そこかよ。
「・・・・・・絶対嫌だ。私したくないです、そんな交遊。先生ホントにロリコン趣味?」
心なしか座っている位置を先生から離し、怪訝にその顔を窺うも見て取れるのは真意の読めない笑顔だった。
不信感を募らせて先生を目線で牽制する。
しかし当の本人はどうにも楽しそうに返してきた。