第3章 夏休みのご予定は?
「いくらガキでも人間は人間だ。どんなに表面繕ってたって大事にしてやってなきゃ確実に見抜いてくるからな、ああいう生き物は。ちょっとでも面倒な声出したら鋭く追求される」
「経験談ですか?」
「残念ながら女だ。だが女も男も同じだ。あいつらは怖え」
本人の実体験らしい。
怖いと言うその声には妙に力が入っている。
リヴァイ先生も所詮は男だ。
「・・・先生がどうだかは知りませんけど私はそんなことないんで。ちゃんとしたまともなコ選んでます」
「ほう?言うじゃねえか」
「・・・・・・」
悪戯っぽい表情を向けられ、私は遠い目になって肩を落とした。
先生とこの手の話をしていると思うと不思議な気分になってくる。
この人の言う通り、十年以上も生きている年数が違ければ積んできた経験には大きな差が出る。
先生にとっては高校生の恋愛なんてママゴトの様に感じるのだろう。
だけどそれは私だって自覚している。
本気の恋愛なんてものは、きっとまだまだ縁遠い。
それがどういうものなのか、私には見当すらつかない。
「・・・・・・先生は?」
「あ?」
「私くらいの時どうでした?」