第8章 結局格好いいリヴァイ先生
「お前は見ていればそれでいい。ただし気づかれるなよ。ドアの隙間から覗いてろ。俺とジジイが中に入ったら、お前はここに来る奴らを待つんだ。すぐに来る」
ジジイとは。
平気な顔をして言い放ったけれどジジイとは。
「・・・・・・待って下さい。話に付いて行けません」
「俺の説明じゃ分かりにくいとテメエが抜かしたんだろ。だったら目で見て理解させた方が早い。
いいか、今この部屋の中にいるのはペトラとその両親だ。俺とじいさんは予定通りに行けばすぐに部屋から出て来る事になる。
ドッキリの標的は惚れた女の親に結婚の申し入れ一つしに行けねえ腰抜け野郎。
お前はここでそいつを待っていろ。現在別の男二人に連行させている」
淡々と言い連ねられて余計に理解不能へと陥った。
誰だ、リヴァイ先生の数学の教え方は誰よりも分かり易いと言った奴。
軍人みたいにキビキビと指示を並べ立てるこの人のどこが説明上手なんだ。
今にも頭を抱えたくなる私の両肩に先生はポンッと手を置いた。
顔を見合わせれば変に真面目な様子を醸して告げてくる。