第8章 結局格好いいリヴァイ先生
「メイリー。偽物だろうとなんだろうと俺が見合いをするのはこれが最初で最後だ。
本心暴いたからにはお前の責任は俺が持つ。不安の元は絶ってやるから安心しろ。もうあんな思いはさせねえと誓う」
「え、ちょ・・・」
肩から外した手をすっと腰に回され、漂い始める妙な空気感に焦って教頭の顔を盗み見た。
ところがそんな私を先生はぐいっと引き寄せ、完全に抱きしめる形となって教頭に堂々と向き合っている。
「そういうワケだじいさん。金輪際俺に縁談なんて持ちかけるな。俺には唯一心に決めた奴がいる。こいつの気を揉ませるのも泣かせるのも二度とごめんだ」
「先生ッ!?」
投下されたのはとんでもない爆弾だった。
先生の肩に手をつき引き剥がそうとするがびくともしない。
私達を眺めているこの人は学校の教頭で、こんな事がバレてはまずいのは当然。
「ほう・・・・・・。そうなのかねメイリー君?」
「え・・・・・・いや、違・・・その・・・・・・あなた何言って・・・ッ」
変わらず呑気なただずまいを崩しはしないピクシス教頭。
あたふたと気が動転してしまって何が何だか分からない私をよそに、先生はしっかりと抱いたまま教頭を真っ向から見上げた。