第8章 結局格好いいリヴァイ先生
今思い出しても胸糞悪いがそんな事があった。
餌に釣られてノコノコやって来てしまった自分には後悔が募る。
本来であれば私は今、二人の友人と一緒に街をぶらついているはずだった。
最近の私の自由時間は主に先生によって奪われていたから折角久々に三人で遊ぼうと約束したと言うのに。
あの後二人と連絡を取り、サヤは残念と言いつつもすぐさま了承してくれた。
シェルも急用なら仕方ないなと言ってはくれたが明らかに残念そうにしていて、大切な友人の二人には申し訳ない事をしてしまった。
後で何か埋め合わせをしよう。
そう思いながら私は一人でホテル・シーナにやって来た。
子供っぽくならず、かと言って見るからに無理矢理頑張っているような服装も避け、そこそこ無難にシンプルな格好を選んだつもりだった。
いくら高級ホテルと言ってもランチはその辺の庶民にも開放されているのだからスマートカジュアルくらいが妥当だろう。
ジャケットに緑のチノパン、そんな程度で十分か。
そう迂闊に考えた私が間違いだった。
おそらく浮いている。
いや、確実に浮いている。
周りに笑われているのではないかと気が気じゃない。
それ以前に追い出されないかが心配だ。