第8章 結局格好いいリヴァイ先生
「・・・・・・で、ご用件は?」
『見たいんだな。見たいんだろ。素直に見たいと言え』
「別に見たくないです」
『そうか、よく分かった。結婚しよう』
「あなたと話してると会話ってなんだろうなって思います」
いつも思うがここまで言葉のキャッチボールができない人も珍しい。
うつ伏せから体勢を替えて仰向けになり、横たわったままやる気なく足を組んだ。
「・・・ねえ、先生。今何時だか分かってます?十二時半ですよ?非常識な事してる自覚はありますか?バカなんですか?」
『いつももっと遅くまで愛し合ってんじゃねえか』
「うわ・・・・・・。最近どうしちゃったんですか・・・。キチガイに拍車掛けてどうする気です・・・?とりあえずウザいんでもう切りますね。おやすみなさい」
『待てっつってんだろ。言いたい事は色々とあるが説教は後だ。今度こそ本題入るから切るな』
ようやくか。
もうほぼ真面目に聞く気もないのだが仕方ない。
スマホを左手に持ち替え、ゴロンと再び寝返りを打って右を向いた。
電話越しに響く声が不機嫌にクソガキと罵ってくる。
ふざけた愛の言葉なんかよりもこの人にはやっぱりそっちの方が似合っていて、おもわずふふっと笑いを零せば先生を微かに笑ったのが雰囲気で分かった。