第8章 結局格好いいリヴァイ先生
「・・・・・・先生・・・」
「なんだ」
「・・・・・・いいんですかアレ」
「どこに問題がある」
問題だらけだろう。
訳も分からず恋人の両親の眼前に立たされた男性は今にも舌を噛みそうになっている。
ドアの隙間からこっそり中を覗く私は絨毯の敷き詰められた床に手足をついて四つん這いの体勢。
その上辺りからは身を屈めた先生が同じように中を覗いている。
それは別にいいのだが、私の腰に片手をついて自分の体重を支えるのは即刻やめてほしい。
この人は重いから私の負担がデカい。
「しっかりやれよオルオ」
「舌噛むなよ、大事なところだ」
そして私と先生のそれぞれ両横では、声を潜めて熱が入った様子の男性が二人。
背が高く体格のいい男達がこれまた同じようにして部屋の中を覗きこんでいる。
中に居る人達をこっそりと応援しつつ、我が事のようにぐっと拳を握って部屋の中を見守る彼ら。
そんな二人を床に這いつくばって仰ぎ見ている私は、とうとう人の背中を椅子代わりにし出した先生に怒鳴り散らしたいのを懸命に堪えていた。