• テキストサイズ

悪い大人に捕まりました【進撃/リヴァイ】

第7章 勘違い






「まだ俺を拒むか?」


「・・・・・・それは・・・」


「受け入れろ。甘やかしてやるから。泣かせた分取り戻すくらい、一晩中お前を愛してやるよ」




掻き上げた私の髪を梳いて、繋いだ手はぎゅっと握って、静かなブルーグレーで私を見下ろすこの人はやっぱり悪い大人でしかなかった。




「メイリー」




瞼にキスされるのに合わせて目を閉じた。



躊躇いも戸惑いもそこにはない。



ようやく透明になって迷いを消した心地で、この唇に先生の唇が重なるのを感じた。



昼間の学校の屋上で集合して、夜は先生の気まぐれで体を繋げてきた。



そんな関係が終わる。



今日この場でとうとう終わった。



この人は私を甘やかしてくれるらしい。



カラダだけじゃない、何もかも。



私のことを、愛してくれるらしい。




「メイリー・・・・・・」




男の人の声で何度も呼び掛けられ、繋がれた手をきつく握り返した。



深く絡まる互いの指と指。



温かさと内側が満たされる感覚はなんだか苦しくて、閉じた目からは気づけば熱い雫が滑り落ちている。



人前で泣くなんて、早々なかったはずなのに。



一日に二度も先生に涙を晒し、その理由が自分でさえ分からず顔を背けようと横を向く。



けれど先生は涙の落ちた跡に唇を寄せ、目尻に残る滴をちゅっと舐め取った。




/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp